部屋が小さいと、照明はひとつで十分。そう思っていませんか？けれど、光の当て方や照明の組み合わせを少し変えるだけで、限られた空間にも“自分らしい居場所”が生まれます。

照明は、ただ部屋を明るくするためのものではなく、空間の印象や過ごし方をやさしく変えてくれる存在。特に、小さな部屋をおしゃれに見せたいときの鍵となるのが「多灯照明（たとうしょうめい）」です。

シーリングライトやペンダントライトなどの主照明に加え、フロアライトやテーブルランプなどの間接照明を組み合わせることで、光に“層”が生まれます。朝・昼・夜で光の表情を切り替えながら、時間とともに変化する“心地よい明るさ”を楽しんでみませんか。

ワンルームや6畳ほどの小さな部屋では、照明をひとつにまとめてしまうと、どうしても平面的に見えがち。そんなときこそ意識したいのが、“光を重ねる”という考え方です。

天井から部屋全体を照らすペンダントライトに、フロアライトをプラスするだけで、空間に陰影が生まれ、奥行きと立体感が感じられます。たとえばソファ横にフロアライトを添えると、壁や床にやわらかな影が落ち、自然と「くつろぎのコーナー」が生まれます。

昼は窓からの自然光、夜はフロアライトの灯りを重ねて。異なる高さや方向からの光を組み合わせることで、小さな部屋でも奥行きのある表情を楽しむことができます。コンパクトな空間こそ、光をレイヤーのように重ねて“広く見える照明コーディネート”を楽しんでみてください。

同じ部屋でも、光の量を少し変えるだけで、気持ちのスイッチが自然と切り替わります。朝や昼はカーテンを開けて自然光を取り込み、夜はフロアライトだけを灯して、穏やかな時間を。

“明るさを分ける”だけで、部屋にやさしい境界が生まれ、仕事と休息の時間を光でゆるやかに切り替えることができます。一日の終わりには照明のトーンを落とし、心と空間を整える。小さな部屋でも、光の使い方ひとつで、暮らしの質がぐっと変わります。

光は、当たる素材によってまったく違う表情を見せます。木の家具にはぬくもりを、スチールや壁には凛とした陰影を生み出します。

同じ照明でも、木目・ファブリック・ガラスなど素材によって光の反射や影の出方が変わり、部屋に自然なリズムと深みが生まれます。たとえばデスクの上に小さなランプを置くと、木の天板にやわらかな光が広がり、素材の質感が浮かび上がります。強い光よりも、やわらかな灯りで“素材と光のコントラスト”を楽しむことが、落ち着く空間づくりの秘訣です。

限られた空間でも、照明を少し工夫するだけで、驚くほど心が落ち着く居場所が生まれます。光を重ね、明るさを分け、素材の表情を感じながら、あなたらしい“光のある暮らし”を見つけてみてください。